様! 文麻呂様が来ていらっしゃいますよ!
綾麻呂 (丘の上から)おう、文麻呂か!……なんだ、お前も来ていたのか?
文麻呂 ええ。
綾麻呂 どうだ! 見えるか! あの素晴しい不尽の山が見えるか!
文麻呂 ええ。さっきから見ていたんです。……
綾麻呂 うむ、……それはちょうどよかった。今しがた、雲が晴れたばかりの所なのだ。見ろ! 今日の不尽は、まるで後光がさしているような神々しさだぞ!
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間――
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文麻呂 (不尽を凝視《みつ》めながら、静かに)……僕が夢に画《えが》いていた通りでした。長いこと夢に画いていた通りでした。……お父さん、僕はたった今「物語」をひとつ書き上げて来たんです。それはまだ見ぬ不尽の煙が天雲の彼方《かなた》へたちのぼる場面で終ったのです。……不尽は、今朝からもう僕の頭の中にはっきりこの通りの姿で浮び上っていました。この通りの姿で僕の中に生き始めていました。……(瞳を輝かして)……この通りでした。
衛門 文麻呂様!……貴方は今日はまるで人が変ったように晴々とした顔付をなすっていらっし
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