。手前ども老人は、得てして自分達の過去の過ちを棚に上げて、すぐむきになって若い人達を非難する悪い癖がございます。……あれは悪い癖でございます。
綾麻呂 どんな女子なのだ? え? 衛門。……それはどんな女子なのだ?
衛門 ………
綾麻呂 言ってくれ。……儂《わし》は決してあれを非難しようなどと思っておらん。……ただ、父親としてそれを知っておいた方がいいと思うのだ。
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間――
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衛門 それでは、旦那様。手前、存じているだけのことは申し上げてしまいますが、文麻呂様は御自身でもかたく口をつぐんでおられますので、詳《くわ》しいことは手前とても皆目《かいもく》存じませぬ。……とにかく、これは旦那様の胸の内にだけそっと[#「そっと」に傍点]たたんでおいて下さりますようにお願い致しますぞ。……(声を低めて、静かに語り出す)実は、文麻呂様の心を惑《まど》わしたのは、年若な賤《いや》しい田舎娘《いなかむすめ》なのでございます。讃岐《さぬき》ノ造麻呂《みやつこまろ》と言う竹籠《たけかご》作りの爺《じい》の娘で、これが
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