るんだ。もっともっと幸福《しあわせ》になることが出来るんだ。
なよたけ あたしには信じられない。……文麻呂、あたしには、そんなこと、とても信じられないわ。
文麻呂 なよたけ、……そうだ、僕達はこれからすぐに旅に出よう! 黙って僕についておいで! 僕達は旅に出るんだ!
なよたけ 旅?……どこへ行くの、文麻呂?
文麻呂 東の国だ。そこにはこの上もない僕達の幸福が待っている。
なよたけ 遠い国?……
文麻呂 (遠く思いを致す)……はるかな旅路だ。……だけどね、なよたけ、そこには僕達の新しい故郷《ふるさと》が待っている。……そこには懐しいお父上が僕達の来るのを待っていて下さるんだよ。
なよたけ 文麻呂!……あんたのお父様?
文麻呂 うん、……そしてお前の優しいお父様だ。……お父上はきっとお前を喜んで迎えて下さるに違いない。きっとお前をこの上もなく可愛がって下さるよ。
なよたけ でも、文麻呂。……あたしの顔を見て。あたしにそんな遠い所まで旅をする元気があるかしら?……ああ、あたしはなぜだかだんだん身も心も疲れきって行くわ。どうしてかしら? 何だかこうして立っていることさえ耐《た》えられないほど苦
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