下げ]
ひびかうは 時の音の
ひびかうは 時の音の
無明に刻む 斧の音……
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
わらべ達の声 (消え入るように、遠く微《かす》かに……)さようなら! 文麻呂! さようなら! 文麻呂!……
[#ここから2字下げ]
緑色の薄紗《ヴェール》が幾重《いくえ》にも垂《た》れ下って行く。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ]〔溶暗〕
第二場
[#ここから2字下げ]
寺々の鐘の音
合唱
夕暮の 鐘の常無きひびき音《ね》に
鐘の常無きひびき音に
今ははや、……
いずこの方か 春の陽の
常世《とこよ》の緑 消え失せて
伝えの里は 滅べども
なよ竹のささめく里は
消ゆれども
天雲の下なる人は、汝《な》のみかも
天雲の下なる人は、汝のみかも
人はみな 君に恋うらむ
……恋路なれば。
われもまた 日に日《け》に益《まさ》る
行方《ゆくえ》問う心は同じ 恋路なれば。
契《ちぎ》り仮なる一つ世に
踏み分け行くは 恋のみち
踏み分け行くは 恋のみち
[#ここで字下げ終わり]
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