字下げ]
けらお 文麻呂! なよたけはあんなあな[#「あんなあな」に傍点]だ! 文麻呂はあんなあな[#「あんなあな」に傍点]に騙された! (消える)
竹取翁 (だんだんと声が弱まって行く)信じて下さらぬと云うのか? 貴方は儂の話を信じて下さらぬと云うのか?
[#ここから2字下げ]
こがねまる、みのり、蝗麻呂《いなごまろ》の姿が一時に浮び上った。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
三人 (一緒に)

[#ここから2字下げ]
だまされた だまされた
あんなあな[#「あんなあな」に傍点]にだまされた
なよ竹は大納言の手先だぞ。
[#ここで字下げ終わり]

[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
竹取翁 (次第に力なえるごとく)信じて下さらぬと云うのじゃな? お若い方、貴方は儂《わし》の話を信じて下さらぬと云うのじゃな? ひとことでよいから信ずると云って下され。ひとこと、信ずると……
[#ここから2字下げ]
翁《おきな》の言葉がふと途切れる。すると、翁の姿は濃い蒼色《あおいろ》の光に照らされ始めた。白銀の斧《おの》がその手に異様に光っている。
[#こ
前へ 次へ
全202ページ中153ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
加藤 道夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング