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なよたけの声 (突然、左手より風の音に交って聞えた)文麻呂! 文麻呂!……信じては駄目よ! 誰の言葉も信じては駄目よ!
文麻呂 (はっと我に返ったように)なよたけ! どこにいるんだ! 教えておくれ!……なよたけ!……お前はどこにいるんだ!
竹取翁 なよたけは信ずるものを喪《うしの》うた。なよたけの夢は現《うつ》し世《よ》から消えて行くのじゃ。……竹取ノ翁もなよたけのかぐやも無明の中に消えて行くのじゃ。
文麻呂 お爺さん! 貴方には聞えないのですか? あのなよたけの声が貴方には聞えないのですか?
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風の音烈しく……
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なよたけの声 文麻呂!……竹の林を出て! 竹の林を出て! 果しもない夜空の下にあたしは立っている! お星様が残る隈《くま》なく見える所にあたしは立っている!……文麻呂! 早く竹の林を出て! 竹の林を出て!
文麻呂 お爺さん!……なよたけが僕を呼んでいる! 僕にはあの女《ひと》の声がはっきりと聞えるのです! なよたけは夢
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