仕事だらう、この様式化は彼にとつて一つの手段で、この様式化には問題がない、その様式、図式の中に埋められた色彩に問題があるのだ、他の画家が予期しないやうな、配色、調子、対照、をつくりだしてこゝに異常な美しい色彩を発明する、彼の作品の特異な輝やきといふのは、その色彩の案出された新しさといふべきである
小倉遊亀小論――小品作家たるべし
○…女流作家のうちでは、彼女位佳き抒情をもつてゐるものはあるまい、彼女はモダニズムを自然に身につけてゐる、西洋草花などを描かしたら、それがよく出てゐて、非常に美しいものだ、洋画の新しがり屋などの真似の出来ない境地がある、花束とか寄り集まつた小さな花などに、念の入つた美観を呈する画壇といふところはやつぱりかうした小品物許り描いてゐてはうだつがあがらぬところらしく彼女も「浴女」「浴後」などの大物を発表してぐんと人気が昂まつた形だ。
○…この二つの作品に対して、美術批評界の絶讃ぶりは、しかしこれも日本画の世界なればこそだ、女性の裸の数を彼女よりずつと沢山見つけてゐる、洋画家に言はせると、浴場の裸婦のデッサンは噴飯もので、あれでも裸婦で通るのだから日本画壇
前へ
次へ
全419ページ中402ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小熊 秀雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング