ールの大きさを、更に質的にも高めて制作発達してゆくところに、他人の真似の出来ない境地がある筈である、好漢惜しむらくは、少しく病弱らしい、体が弱くて仕事が停滞するのは実に辛いと述懐する。
フロイド好み 橋本明治氏
橋本氏に対しての一般的な批評をみると「才人才に負けるなかれ――」といふやうである、だが才人は才に負けるといふことはないものである。あれば才に溺れる――といふところだ、小さな才であれば負け、溺れるだらう、然し若し橋本氏にして大才を心掛けてゐる人であるとすればさういふ心配はないやうだ。新時代の日本画の路は、まづ日本画家を多少に拘はらず時代的な心理主義者にしてゐるやうだ、またこの危険を怖れてゐては、勉強の路もひらかれないだらう、橋本氏はさういふ意味で、決して平垣な[#「平垣な」はママ]路を行かうといふ人ではない、彼がフロイドの精神分析的なものに興味がある――といつてゐるのも、その間の事情を語るものがある、昭和四年の帝展初入選「花野」は彼がまだ美校の四年のときの作だ、この頃の作に現はれてゐる、妖しい感覚の独自性に、三つ子の魂百までの諺どほり今に至るも、橋本氏の作風の底を流
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