が、茎を支へてゐる竹を、茎と同じ質感で描くといふことはない筈。
△竹内栖鳳――『若き家鴨』ユーモラスな家鴨がよく出てゐた、たくまない野放図な投げ出したやうな構図は度胸人である、たゞ金を散らしたのは最大の不調和である、ゴモク飯を思はせる絵である。
△蓮尾辰雄――『罌粟』もう一息といふところ、衣服の質感はよく出てゐたし、背景の花も良い。
△望月春江――桜の実にそゝぐ雨、雨の白さが汚れのやうにみえる、降つてゐるのは雨であらうがそのために実や樹の葉に何の変化のあることも感じられないのが変である。
△吉村忠夫――『麻須良平』日本画的題材を感覚的新しさで塗りつぶしてゐるといふ域を出てゐない。
△木谷千種――『義太夫芸妓』掴み方、色彩の落ちつきは良い、何かぬけぬけとした年増女が感じられて面白い、言ひわけのやうに蝋燭を点したのはおかしい。
△村山三千男――『閑日』不安定な女の腰掛け方、落つこちて来さうな椅子の上の小鳥籠。
△望月定夫――『ふるさとの駅』日本画材料をある程度の新しい方法に処理して成功してゐた、細密描写の場合絵の具を盛り上げてゆくとすれば洋画に敗けることを考へたらいゝ。
△中村岳陵――『砂
前へ 次へ
全419ページ中351ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
小熊 秀雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング