浜』砂浜の凸凹を線でゆかずに、窪み(面)でかきすぎた恨みがある。空はよいとして水はにぶい、小鳥は古いが、色の小砂の散らしは抒情的で美しい。
△森守明――『青潭』難ない、たゞ鳥ををいたことは意味なし、静寂感の出方が乏しい。
△森本修古――『奥春日』藤の絢爛たる美は良い、春の日の妖しさは出てゐた、たゞ仏ををくことはその理由は別として考へ過ぎである。
△曲子光男――『鵜城』鵜と樹木の形の面白さ、あまりに形の面白さに惚れこみすぎた感あり。
△中塚一杉――『菜園初秋』いりくんだ菜園を混沌もなく描き得てゐる日本画の本領の優れた点はかういふ時に良く現はれるといふべきだらう。
△三原清宏――『南紀の浜』南紀地方色がよく出てゐる、熱つぽい南国の触感がある、植物の厚みや葉の飜転がよく出てゐない恨みがある。
△森戸国次――『猿』猿は必ず虱をとり、木に登るものらしい、さうした平凡な取材に陥つてゐる。
△岩田正己――『富士の聖僧日蓮』この絵を生かしたものは背景の雲である。衝突して舞ひあがる自然現象の美は描かれて、なまじつか日蓮が立つてゐるのが俗物的に見える位である。
△川上拙以――『粧ひ』衣服がよく描けてゐたが
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