れていゝものだらう、浪江勘次郎氏の「漁業」「蒼天」は良き日本的作家たらうとして、少しく仕事を焦りすぎた感がある、その方向には充分な同感をもつことができるが、対象の認照?認識の方法には疑問少なくない。
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文展日本画展望
東洋画の特長である静穏な美も、最近の世相でともすれば[#「ともすれば」は底本では「ともすれは」]、狂気染みた動的な雰囲気に捲き込まれてしまひさうである、混沌美を造るには日本画の絵具は余りに聡明にすぎよう、洋画家のやうに時代と一緒に混乱できないところが日本画家の苦しい立場であり、またそこに自づと新しい開拓の分野もある、文展日本画は更生幾回転の後に我々の眼前に示した、新陣容であり、収穫である、文展の組織の混乱とは別に、画人の態度は自ら別なものがあらう。
△西山英雄――『内海風景』の表現の方法には山と樹木の描き方の矛盾がある、山の図案化を樹木に適用しきれなかつた度胸の無さが目立つ、汚点のやうな雲(或は汚点か)は画面をきれいに処理する勢力が足りない。
△浜田観――『初夏の花』距離感が不足してゐた、絵の具の盛り上げの効果は
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