的なテーマであるが、テーマの割に生活がでゝゐない。特殊なものがない。岩崎清之助[#「岩崎清之助」に傍点]氏――『港Y』革進性はある。沖中陽明[#「沖中陽明」に傍点]氏――『内海の春』悩みなし。吉永叢生[#「吉永叢生」に傍点]氏――『木兎』テーマ古し。結城素明[#「結城素明」に傍点]氏――『清湍』日本画の材料で質感の出し方と色重ねの利かしたとの最も良き見本である。常岡文亀[#「常岡文亀」に傍点]氏――『萌芽』甘さと渋さとがとけあつてゐる。是永仲一[#「是永仲一」に傍点]氏――『竜華寺の庭』怪異をねらつた作。簡略化がうまい。青木大乗[#「青木大乗」に傍点]氏『焚火』しつかりとしたデッサン、本格なり。然しいつまでも日本画はテーマの上で焚火にもあたつてもゐられまい。藤森青芸[#「藤森青芸」に傍点]氏――『渓間』日本画的雰囲気として申し分なし、渓間にはキヂがゐる風景である。自然科学者の描いたものより芸術的である。そのかはりに自然科学者よりも不真実である。長谷川勇作[#「長谷川勇作」に傍点]氏――『つゝじ垣』ユーモラスな好感をもてる作、籠の中の鶏は、すぐれた描き方であつた。この調子で全体をまとめた
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