るし、新味を感じられない。柳文男[#「柳文男」に傍点]氏――『水辺』鯉の鈍重感迫力はある。部分的批評すれば、白い部分はあるまゝでいゝとして、魚の周囲を水の中だと思はせる描法が絶対的に必要である。藤田復生[#「藤田復生」に傍点]氏――『気象台』明析な態度、色の新しさの方向はいゝが、立体感の欠けてゐる点が難、テーマは甚だ立体的だが、描写力が併はなかつたのだと思ふ。島田良助[#「島田良助」に傍点]氏――『女像』不思議な神経をもつてゐる作者である。例へば女の坐りの良い腰部や、重さうな肩などに魅惑的な神経があるのがそれである。色彩は総じて良くない。特異な神経は大切にして欲しい。大石哲路[#「大石哲路」に傍点]氏――『小児』陶器製のやうな小供その覗ひはわかる、物質感がでゝゐる。恩田耕作[#「恩田耕作」に傍点]氏――『葉蔭』青い色や、犬の眼は生きてゐる。犬は細い感じはでゝゐるが痩せた感じがでゝゐない。作者がもしこの種の犬は細いのであつて痩せてはゐないなどと抗弁されたら評者は一言もないが。青木崇美[#「青木崇美」に傍点]氏――『保護樹』繩でしばられてゐる樹、保護の名目で自由を束縛されてゐる人間も少くな
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