いから、この保護樹はさうした人間的なものを感じられる。描きかたでは画面のとりかたはいゝが、地面の工夫が足りない。山崎隆[#「山崎隆」に傍点]氏――『海水魚』いゝ作家である。魚達の列、四つの魚の集団が四つの生活を水の中で営んでゐる。茶色の岩の上の写実性はすばらしい。この作者がもし大作主義でばかりゆくとしたらよくない。小品もたくさん作ることだ。この人の小品の力量を見たいものである。

 新日本画研究会には、福田豊四郎[#「福田豊四郎」に傍点]氏、吉岡堅二[#「吉岡堅二」に傍点]氏、小松均[#「小松均」に傍点]氏といふ日本画の新しい方向に対する真面目な探究者が加はつてゐるから、特別に指導理論をふりまはす人がゐなくても、これらの人々の作品が語る論理的なものは決して影響が小さいものではない。この三人は決してこの会の代表的作家といふ意味で言つてゐるのではない。この三人の作画の型は、この研究会内に止まらずに、広く日本画の三つの心理的な型として、福田、吉岡、小松といふ人の作品は重要な意義がある。誰でも作風の上ではとにかく、心理的にはこの三人の型のうちのどれかを通らなければならないからである。
 小松均
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