夫[#「井関雅夫」に傍点]氏――『風景』洋画的テーマは悪いとは言はないが、こゝまできたら、洋画への追従でなくもつと徹底してほしい。日本画の行くべき路へ。藤田隆治[#「藤田隆治」に傍点]氏――『歯科室』画面に対象の生活がでゝゐるのは実力があることを示してゐるが、手前のものを突込んで、遠方を逸してゐるのはよくない。塗り方の粗雑さは感心できない。田口壮[#「田口壮」に傍点]氏――『女』直線と曲線とのよき組み合せ、然し色が商業主義的な傾きがある。つまりポスター其他色刷的実用美術的な弊がある。バックは成功してゐたが。福田豊四郎[#「福田豊四郎」に傍点]氏――『華氷』冷めたい氷といふよりも、暖い氷を描いてゐる。それは作家自身の世界観、人生観だから、氷をまた火のやうに描いても一向差支ないことだらう。たゞ氷に閉ぢこめられた花の感覚的位置が明瞭でなかつた。『月と小魚』が好きであつた。泳いでゐる小魚が一尾づゝ己れの影をここでは魚自身の観念体としての影を、ひつぱりながら遊泳してゐる詩味は凡手の到底着想し得ないところであらう、水草をもまた生きたものとして生活させてゐる。ただラセンに曲げて描いた水草は常套的であ
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