の一種であるとすれば渡辺氏のやうな脆弱な精神は軽蔑されるだらうが、そのモロさに美しさがある、ガンガンと叩きつけたタッチだけを見せつける作品は嫌である。
○河合芳男[#「河合芳男」に傍点]氏――『女人像』の神経は渡辺氏に較べては太い、然し全く反対の立場にあるものではない、感情の切断面の美しさともいはれるべきものがある、形式美への追従を避けて、もつと圧縮した現実といふべきものを見せてほしかつた、相当に高い技術をもつてゐるのであるから今度は技術を殺すことに依つて迫力がつく筈である。
○川崎栄一[#「川崎栄一」に傍点]氏――大作であつたが、肝心の距離感が喪失してゐた、テーマの上では難はなく、意志と恐怖と哀愁とは現代の三つのテーマとも言へるものであるが、川崎氏の群像はその時代的な象徴を語るものであつた。群像としての像のつながり関係も自然なまとめ方である。
○長谷川八十[#「長谷川八十」に傍点]氏――一見粗雑なやうに見えてゐて、案外デリケートな落着いた作品である、動的なものは、作者の感情の推移の表現であるが、動的な形態を巧みに固定化し制約して効果をあげてゐる。
○渡辺義知[#「渡辺義知」に傍点]氏
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