るが、全体的に批評すれば、総べて中山巍の画は概念的なものゝ一歩手前で踏みこたへてゐるといふ態度である。「砂丘」の遠景の三人の人物の周囲の絵の具の盛り上げた意味がないと思ふ。ただ空の色に異様な光りの吸収を為し逐げて[#「逐げて」はママ]美しい。
第四室
宮城輝夫[#「宮城輝夫」に傍点] の「猟」(鉄砲)は色彩に時代性があつて良い。独立展の進歩性の一つに私は是非色の時代性(進歩性)も加へたいと思ふ。画家は一応色彩家としての時代的敏感さがなければならない。その点独立の画家は色の性質に就いて無神経すぎる。デパートを一巡しても、もつと涯かに商品の上に色彩と時代との有機的関係が結ばれてゐるのを発見する。その意味でデパートの商品の色彩の方がずつと美しいし進歩的だし新しい。
曾宮一念[#「曾宮一念」に傍点] この作家が独立に加はつたといふことは、リベラリストとして正しい態度であらう。また曾宮一念の進歩性といふものも一般が理解してやらねばならない。色の新鮮性を私はかふ。但しその色の新鮮性といふものは、多分に主観的なものであるといふことを観者は忘れてはならない。仕事の上の非妥協的な態度は良
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