ガラスといふ物質は最も重要な他の物質と異なる組織体として、透明であるといふこと、このことは硝子を描く上に無視出来ない筈であるが、彼の「ガラス」の描写には色彩と線との構成的成功があつたが物質の質の説明がなかつた。然し菊地精二の絵の色感は何れも時代性を把握して美しい。

    第二室

 小島善太郎[#「小島善太郎」に傍点] のマンネリズムには私が批評するまでもなく、マンネリズム批評家に委ねていゝ。
 川口軌外[#「川口軌外」に傍点] の四点の出品のうち、「貝殻」だけは沈着いてみることができ、其他の「無題」「花」「鸚鵡と少女」何れも線のうるささと、色彩は美しいといふよりも、通俗的美観を呈してゐた。新時代の美意識といふものの、追求が足りないと思ふ。

    第三室

 中山巍[#「中山巍」に傍点] 「蔬菜」「砂丘」「花」の三点の出品は自づからこの作者の三つの方向を示ししかも三つの心理的分散を証明したものがある。私は中山巍を他人のいふ程にリアリストと見るわけにはいかない。辛うじてリアリストであるだけだ。
「砂丘」は作画態度の明快な、そして色感の豊富なものがあり、筆触の簡略化も効果をあげてゐ
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