リフラワー」二点色の近代性は光風会の出品者にしてはとび抜けて新しい。構図のとりかたに近代人としての飛躍があり、明快な対象の捉へ方、特殊な水々しい感覚の作品であつた会場を一巡して須田剋太の絵にきて、どうやら社会性や時代性に接した感がした。この作家の良き才能を祝福したい。
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洋画壇時評 独立展を評す

    第一室

 中間冊夫[#「中間冊夫」に傍点] 筆法が濶達でのびのびした作画態度にこの人の将来の仕事への余地を示してゐる。一沫の凄愴味がありそれに絵画的要素と文学的要素と、これ程に調和的なものとした手際は水際立つてゐる。日本の洋画壇でも、もういゝかげんに絵画の世界と文学の世界との結びつけをやつても良いと思ふ。中間冊夫は今後益々この特異性を発揮して欲しい。
 菊地精二[#「菊地精二」に傍点] この作家の構成の苦心は買ひたいが「鉄」「機械」「ガラス」といふ三つの物質の描写上の説明が、いづれも混沌として、三つの画題に分けた必然性がない。もつと具体的に三つの物質を見る者に説明し、証明する親切さがあつてよかつた。例へば「ガラス」の描写にしても、
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