ふものに対する美学的な立場である。あの色をもつてリアリズムの色とするのは賛成できない『美しい色』といふことの素朴な理解に一度立つて、更に真実の美の色を創造してほしい。赤や青を軽蔑する画家は永久に救はれることがないだらう。
寺田政明 この人はかうしたリアルな傾向で一時代、絵の技術的方面をやつたら、それこそ弊履を捨てるやうに斯うした傾向を捨てゝ、リアルな作風でゆくべきだ。自分の才能が惜しかつたら、リアリズムをとるべきで、画壇では、立派な、良い才能をもちながら『写実』(広義な意味で)を軽蔑してゐるために、その人の良い才能を殺してゐる人が実に多いことは残念である、寺田の絵は描く対象に就いての『感動のしかた』が実に芸術家的である点、材料がプロレタリア的なものである点、しかし『貝殻』『イカ』『ランプ』『馬の骨』とか一つの題材に少し執着しすぎる、執着することは仕事が観念的になつてしまふ前触のやうなものである。大いに一作毎に、負けるか勝つかの丁半賭博的飛躍をやつてほしい。この人の才能はさうした飛躍をやつても間違がない『おたまじやくし』を賞めたい。この絵には見た眼がきれいでも、色の常識的選択に終つてゐ
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