奨励と発表とを兼ね備へてゐるといふ公器としての方針に、少くともその立前から自由主義の方針に基かなければ存在理由が成り立たない。審査員たちは続々と持ちこまれる画家の絵を前にして、それを審査しながら如何なる感情を抱いてゐるであらうか、そのことを想像し、憶測することも興味がある。おそらく審査員達は若い後進の画家の画業追求のはげしさに、心内平穏ならざるものが少くないであらう。そして審査の方針として彼はこれらの作品に心理的には脅やかされながら信念的にはこれを勢ひよく排除し跳ねのけるであらう。この心理と信念とを接続するものは何等画家的な批判性をもつてゐないものが少くないだらう、この審査員の心的動揺は強盗の心理と一脈相通ずるものがある。(それは何等過激な形容でない)心でびくびくしながら信念の強さで他人の品物に手をかける強盗はそれだけでも猶多くの不安を感ずる。二つの物では足りない、更に兇器といふものを手にする。
 若し展覧会の審査員で猶審査に必要とするもの強盗の兇器にひつてきするもの『社会的地位』或は『画壇的地位』といつてもよいこの兇器をふりまはし、他人の作品の制作心理にズカ/\踏みこんでくる強盗的審
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