を見るとき何時も不思議にワシリー・カンヂデンスキーの絵を想ひ出すこの違つた画風の二人をどうして結びつけて考へるか僕自身不思議に思ふ、だがその解決はかんたんだ色の感覚と絵画に扱はれる対象の物質的再現よりも絵画自身の要素の精神的価値を主張する個所に相似たところがあるのだ『蘇洲城裏』色感の唐草模様であり魅力あるコンストルクチオンではないかこゝにまた薄気味の悪い点を発見する、それは『長江遠望』だこれは幽微なる幽玄なる異彩に輝いたものでその描かれた律動的集塊こそ秋田氏の怖ろしい仕事の前兆ではないか、最後に一言支那から帰つた秋田は凡になつて『小田原風景』を描く日本の『フジヤマ』も『松の木』も案外くだらない、支那へ帰つて死ぬことだ。
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美術協会の絵画展を評す

   (一)[#「(一)」は縦中横]

 第十二回旭川美術協会展覧会は旧山一紙店楼上で催されてゐるが、日本画及び木刻の評は僕の得手ではないから止して、洋画の部に一言する。誰れがその鑑査をしたのであるか知れないが、その配列を一見して採択方針はうなづけるもつともこの選といふものは、その画会を中心
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