ものを比較してみると、そこに対蹠的な興味を湧かすことができる、それは印象氏、平八郎氏の、初期の時代に、そゞろに画業の覇をきそつたことを想ひ起こすことができるからである。そして現在二人はどういふ画壇的位置、画風、を示してゐるかといふことを考へてみよう、帝展が最初に発見した新人は第二回『静夜聞香』中村大三郎氏、第三回『調鞠図』堂本印象氏、同第三回『鯉』福田平八郎氏のそれであつた、この三人は文展時代何回か鑑別されつづけて帝展になつて初めて抜擢されたといふ、同じ特徴をもつてゐたことだ。大正十一年の第四回には、推薦『阿梨母帝』堂本印象氏、推薦『鶴』福田平八郎氏、特選『燈籠のおとど』中村大三郎氏、特選『秋二題』水田硯山氏、といふ選ばれ方である。この印象、平八郎に、いま大三郎を加へて、現在の画業の足跡をそれぞれ顧みるとき、何か肯かれるものがあるのである。この作者達の仕事ぶりの開きはかなりに現在では大きい、そしてその初期の出発に於いてこの三人が、何か特異な距離を既に当時に於いて示してゐたわけである。いま堂本印象氏は寺院壁画其他に全幅の精力を傾注してゐる、そして中村大三郎氏は人物を主体としたテーマ芸術に
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