る俳優を連れてきて主役に据ゑて舞台に立たした、今度の主役もまた背景に押しつぶされなければいゝがと俳優達が心配しだした、さりとて殺伐であつても劇団に道具方がゐなくては、芝居にならないので道具方を追払ふわけにもいかず困つてしまつた。
 なかにはいつそ道具方が腰にさしてゐる武器の金槌を取りあげ丸腰にしたら安心だといふ意見も飛びだしたが、道具方から金槌を取りあげたら、背景である国際都市も、背景である茫漠とした山野も、打ちつけることができなければ、背景なしでは芝居にもならないのでそれもできず、どうしたらいゝかと研究中だといふことで、奇妙な劇団もあつたものです。
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帽子の法令


     (上)

 米つきバッタの国では、お低頭をすることだけが、住民達の日常生活でした、毎年秋がくると、昆虫達の運命がかはるのでした、草の露の甘かつた味も、秋になるとしぶいにがいものになりました、少しの痛みもなく、とつぜん足が関節から離れて、地面にころがり落ちました、秋は彼等にとつて、とにかく毎年の例からいつて、ロクなことがなかつたのです。
 バッタたちは、しかし自分た
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