カシーに答へることのできる
感情の所有者である
すべての男の女に対するやうな
コケオドカシの
四捨五入的態度を憎みつつ
女の真実を
発見することの喜び
その喜びは、なににもまさる、
わたしは女性讃美者である、
女の真実を求めることの
疲労と苦悩は大きい、
探訪者は
傷つくか、
倒れるか、
絶望することを知つてゐる、
男同志[#「志」に「ママ」の注記]の闘ひの苛酷な状態を避けて
女との愛のたたかひを
遂行してゐるのではない、
女と愛の上で争ひ、
さらに男同志[#「志」に「ママ」の注記]のたたかひへの加盟者である、
愛に関しては私は両性の上で貪慾者だ、
真理を求める世界で
強い胸は歌うたふのだ、
直面するものに
闘はずして敗北の歌を
うたふことを私はしない、
愛に休息があるか
――或る女へ――
休息と平安を求めながら
一方にはげしく愛し合はうとする
愛とはあなたの考へるやうな休息ではない、
愛とは由来はげしいものだ、
さあ、お疲れなさい、
倒れてしまつたら良いのだ、
抱擁と接吻を拒む、
そのことでは永遠に疲れは休まらない、
素直でないことが、
どんなに私に光つた太陽を暗く見せるだ
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