まはしたのか、
○いざり三、さうだ、おれたちはシャベルを使ふことは第一流になつた。鎌をうちこむことを熟練した。
○いざり四、足腰の満足な百姓のやうに、畑打ちに、ひよいひよいといち/\腰を曲げる世話もいらねい、
○いざり一、彼等より短かい鍬を使つて、彼等よりずつと先の方まで鍬がのびたよ、
○男子二、(覗きこむやうに出て)自然は、きみたちを心から愛しただらうね。
○男子二、大地は君達百姓にとつて、偉大な楯だからね、
○男子四、あらゆる百姓の不幸が、自然の影にかくれてしまふから。
○男子一、(叫ぶ)百姓にとつて大地は隠れミノだ。
○婦人一、(叫ぶ)自然は親切すぎる悪い女。
○婦人四、(叫ぶ)また厳めしい父でもある、
○婦人三、(叫ぶ)自然の奴は人間の智識を小さく見よう、見ようとするヤキモチ焼よ、
○婦人二、(叫ぶ)あるときは自然は人間を激しく折檻する、
○いざり一、(泣き声で)そ、そ、その通りでさ、わしら折檻されましたよ、嵐で、雨で、風で、雪で、雹をもつて、
○いざり二、(泣き声で)そのくせ後から激しく可愛がるムラ気なママ母の愛のやうでもありました、
○いざり三、(泣き声で)一握の土を、手の
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