反省しろ、
個人主義を卒業しない、
君はアカデミーだ、
まづそれを苦しみ悲しめ。
酔つ払つたり歌つたり
二六時中歯を喰ひしばる程の
憤懣などはない、
さうした憤懣が私に詩をつくらせない、
民衆は、果してのべつに不幸だらうか、
民衆の中に
たくさんの不幸も見た
だがまた沢山の幸福も見た、
酔つ払つたり、歌をうたつたり、
キネマを見たり、闘つたり、
散歩したり、女を可愛がつたり、
こんなことはみんな人間のすることなんだ、
忘れてはいけない、
我々は単なる清教徒的プロレタリアで
あつてはいけないことを、
民衆の生活の中から
ピュリタンを、
しかめつつらの深刻癖を
とりのぞいてやりたいものだ、
楽しい歌をもつて私はハシャグから
民衆はますます
生活をたたかひぬく
図々しさをもつて
私の歌に合唱してくれ
私の憤りは
よき相手を発見したそのときだ
私は二十四時間の憤りを
たつた一時間で粉砕できる
残つた時間をみんな
民衆の喜びのために使ふ、
幸福な歌ひ手
そのやうな衝動的詩人だ、
また二十四時間の幸福を粉砕し
一時間で苦痛の歌にまとめあげる、
そのやうな不幸なマルキストだ
そのやうな激情の詩
前へ
次へ
全37ページ中33ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小熊 秀雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング