方」に傍点]だと、王立協会の書斎[#「書斎」に傍点]と講堂[#「講堂」に傍点]に行って、万事整頓しているかを見、その夜の講師[#「講師」に傍点]に挨拶し、友人が来ると、「よくお出で」と言い、講堂では前列の椅子に腰掛け、講師の右手の所に陣取る。講演を聞きながら、時々前にかがみ、講演がすむと、周囲の人々に「ありがとう」とか、「おやすみ」とか言いつつ、細君と一緒に階段を上って自分の部屋に帰る。時には二三の友人と夕食をとる。
[#「王立協会内の講義室におけるファラデーの講演」の挿絵(fig46340_05.png)入る]
 またファラデー自身が講師[#「自身が講師」に傍点]だとする。題目は前々から注意して撰み置き、講義の大体は大判洋紙に書き、実験図も入れて、番号まで附けておく。朝の中に覚えよいような順に器械を列べて置く。夕方になると、聴衆はどんどんと来て、満員になる。遅く来た人達は階段の所に腰を掛けたり、大向うの桟敷の後方にまでも立つ。その中にファラデーは、は入って来て、馬蹄形の机の真中に立ち、聴衆がまたと忘れられないような面白い話を始める。
 クリスマス前に[#「クリスマス前に」に傍点]、小
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