、うまい実験の方法を考えて、ごく簡単な器械で重大な結果を得るということを努めたので、実験家だからというても、毎日朝から夜まで実験室に入り浸りで、手まかせに実験をした[#「手まかせに実験をした」に傍点]人ではない。戦略定って、しかる後始めて戦いに臨むという流儀である。後篇の電磁気感応の発見の所で述べるように、途中に日をおいて実験して[#「途中に日をおいて実験して」に傍点]いるので、この間によく考え、器械の準備をさせて置いたのである。
三四 研究の方針
ファラデーの研究した大方針は天然の種々の力の区別を撤廃して一元に帰させよう[#「天然の種々の力の区別を撤廃して一元に帰させよう」に傍点]というのである。
それゆえファラデーが喜んだのは、永久ガスが普通の蒸気と同様に[#「同様に」に傍点]、圧力と寒冷とで液化した時である。感応電流が電池から来る電流と同じく[#「同じく」に傍点]火花を出した時である。摩擦電気や電気|鰻《ウナギ》の発する電気が、電池から来る電気と同様な[#「同様な」に傍点]働きをした時である。電池の作用はその化学作用と比例する[#「比例する」に傍点]のを見た時で
前へ
次へ
全194ページ中64ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
愛知 敬一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング