セニウム倶楽部ができた。今のパル・マルにある立派な建物はまだなくて、ウォータールー・プレースの私人の家に、学者や文学者が集ったので、ファラデーはその名誉秘書になった。しかし、自分の気風に向かない仕事だというので、翌年辞した。
二七 ローヤル・ソサイテーの会員
デビーはファラデーの書いたものの文法上の誤を正したり、文章のおかしい所をなおしたりしてくれた。一八二二年に塩素を液化した[#「塩素を液化した」に傍点]ときのファラデーの論文も、デビーはなおした上に附録をつけ、自分が実験の方法を話した[#「実験の方法を話した」に傍点]ことも書き加えた。しかし、ファラデーの要求すべき領域内に立ち入るようなことはなかった。ただ事情を知らない人には、こうした事もとかく誤解を生じ易い[#「誤解を生じ易い」に傍点]。
すでに二、三年前に電磁気廻転を発見した時にも誤解が起った[#「誤解が起った」に傍点]。ファラデーが発見した以前、ウォーラストンがやはり電磁気廻転のことを考えておった。しかし、ファラデーのとは全く別のものであった。それにも関わらずウォーラストンの友人のワルブルトン等は同じものだと
前へ
次へ
全194ページ中50ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
愛知 敬一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング