一日を送り、愉快に満ちた顔して帰って来た。ついに一八二一年六月十二日に結婚した[#「ついに一八二一年六月十二日に結婚した」に傍点]。
式の当日は賑やかなことや、馬鹿騒ぎはせぬ様にし、またこの日が平日と特に区別の無い様にしようとの希望であった[#「平日と特に区別の無い様にしようとの希望であった」に傍点]。しかし実際においては、この日こそファラデーに取って、生涯忘るべからざる日となったので、その事はすぐ後に述べることとする。
結婚のすぐ前に、ファラデーは王立協会の管理人[#「管理人」に傍点]ということになり、結局細君を王立協会の内に連れて来て、そこに住んだ[#「そこに住んだ」に傍点]。しかし舅《しゅうと》のバーナードの死ぬまでは、毎土曜日には必ずその家に行って、日曜には一緒に教会に行き、夕方また王立協会へ帰って来た。
ファラデーの真身の父は、ファラデーがリボーの所に奉公している中に死んだが、母はファラデーと別居していて、息子の仕送りで暮し、時々協会にたずね来ては、息子の名声の昇り行くのを喜んでおった。
ファラデーは結婚してから一ヶ月ばかりして、罪の懺悔をなし、信仰の表白をして、サン
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