あい》交渉《かうせう》するので、到底《たうてい》單純《たんじゆん》な理屈《りくつ》一|遍《ぺん》で律《りつ》することが出來《でき》ない。善《ぜん》と知《し》りつゝも夫《それ》を行《おこな》ふことが出來《でき》ない、美《び》を欲《ほつ》しても夫《それ》を現《あら》はすことが出來《でき》ない、已《やむ》を[#「已《やむ》を」は底本では「己《やむ》を」]得《え》ず缺點《けつてん》だらけの家《いへ》を造《つく》つて、その中《なか》に不愉快《ふゆくわい》を忍《しの》んで生活《せいくわつ》して居《ゐ》るのが大多數《だいたすう》であらうと思《おも》ふ。
建築《けんちく》の本義《ほんぎ》は「善美[#「善美」に白丸傍点]」にあると云《い》ふのは、我輩《わがはい》の現今《げんこん》の考《かんが》へである。併《しか》し或《あ》る人《ひと》は建築《けんちく》の本義《ほんぎ》は「安價で丈夫[#「安價で丈夫」に白丸傍点]」にあると云《い》ふかも知《し》れぬ、又《また》他《た》の人《ひと》は建築《けんちく》の本義《ほんぎ》は「美[#「美」に白丸傍点]」であると云《い》ふかも知《し》れぬ。又《また》他《た》の人《ひ
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