礼……、何ですか、そりゃ……、あたしはべつにあんたから……」
「やかましい!」
ピタリ、と口を封じられてしまった。
「その前にすこしききてえことがある。突っ立ってねえで、そこへ掛けろ」
乾は用心深く寝台にかける。
古田はがっちりと腕組みをして、
「ときに、お前の商売はなんだ」
「……ごらんの通り、古家具をやっておりますが……」
「そうか。……じゃ、お前はべつに警察の人間というわけでもねえのだな」
「飛んでもない……」
「じゃア、なんのためにおれを密告《サシ》た。……洒落か。……それとも、酔狂か」
古田の歯が、カチカチと鳴った。
乾は扉のほうへチラリと眼を走らせる。
(こりゃ、助からないことになった。……本当のことをいったら、なにをしでかすかわかったもんじゃない。……ひとつ、なんとか胡魔化して切り抜けるか……)
古田は叱咤した。
「なんとか吐かせ!」
乾はどういう工合に切り抜けたものかと考えながら、
「……サス? ……なんのことだか、一向どうも……、あたしは、ひとさまに迷惑をかけるようなことは、ついぞ……」
「野郎! しらばっくれやがって!」
古田が立ちあがった。乾は腰を
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