といったねえ。感極まって泣きだした。……泣かしておいてお前さんは二階へあがってゆく。だいぶ経ってから角ばった包を持っておりてきた。なんだ、ときいたら、お前が脱いだ着物じゃないか、という。格別気にもとめなかったが、言わずと知れた、それがめあての三万両さ。……つぎの朝になって、乾君がのこのこと見物に出かける。その場から葵がひったてられると思いのほか、天運測り知るべからず、釦は久我に拾われて、せっかく仕組んだ芝居が丸札をだす始末。なまじっかよけいな手紙なんか出してるばっかりにかえってそれがカセになって、こんどはこっちが危くなる。あわててあることないことハガキに連ねて古田を密告。筋が通らないから、これもいけない。いろいろあせりぬいているうちに、どうやら久我にうしろ暗いところがあると見込んで、神戸くんだりまでおハナさんを尾行《つけ》てやってアラ拾いをさせる。銀行ギャングの一味だとわかったときは、君はよろこんだねえ。これをキッカケにして、あとはトントン拍子に筋が運ぶ。溜堀から服があがる。刑事がとんでくる。万事筋書通りになりました。久我は射たれて死んじゃった。……これでお国は安泰、福禄長寿……と、思
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