った。鉄の焦げる臭いがし、鋭い破裂音が林の中へひびきわたった。いくどもいくどもこだまをかえした。
一人が呻き声をあげて草の上へ膝をついた。四人の男はあとしざりしながら、口々に叫んだ。
「野郎、抵抗するか」
「御用だ、岩船重吉!」
久我のピストルが、また轟然と火を噴いた。四人の男は蝗《いなご》のように納屋のうしろへ飛びこんだ。
「さ、早く!」
久我は葵の手をとると、右手の牛小屋のうしろへ駆けこもうとした……その時、なにか灼熱した鉛状のものが、ひどい勢いで久我の身体をさし貫いた。よろよろとして、その杭のほうへ手を伸ばそうとした……杭は急速に彼の眼のまえから消え失せた……
頭のうえで、だれか、わけのわからない言葉で叫んでいるのをきいた。こんなところに寝ころんでいられない。……起きあがろうとして二度ほど爪で土をひっかいた。……葵、……葵……
力のない視線を漂わせると、がっくりとうつ伏せになり、そして、動かなくなってしまった。
二十燭ほどの、ともしい電灯をつけた、店の板土間にあぐらをかいて、乾と朱砂ハナが酒をのんでいた。つぎの日の夕方のことである。
二人とも、もうだいぶ酔っている
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