想までも知ろうとするにはどうしても一切経に依らなければならぬ。それで北京に於てはバロン・ステール・ホルンスタインがアメリカと連絡をとって研究所を建ててやっておりますが、大きな研究会を作って、ボストンとハーバードと北京とで連絡をとってやっておりますが、どうしても日本を棄てる訳にいかない。というのはこれだけの材料が日本にあり、この材料を読みこなすことはどうしても西洋人には出来ない。どうしてもこれを研究いたしますのには西蔵語を知らなければならぬ。サンスクリットを知らなければならぬ。漢文は自由に読めなければならぬ。また信仰的にも学術的にも相当仏教のことを知っておらなければならぬ。だからいくら賢明の西洋人でも一人ではやり遂げることは出来ない。一人仏教の分るものを北京に招致したいということであったので成田昌信君が行っております。材料だけは日本で整理してやりたいという考えでありますが、向うもなかなか放っておかない。
 日仏会館ではフランスからレビー氏とか、フシエ氏とか、マスベロ氏というような学者が来て相助けて日仏仏教辞書の編纂中であります。日本の仏教辞書をフランス語に訳して日仏仏教辞典法宝義林をいま
前へ 次へ
全72ページ中60ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
高楠 順次郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング