ゆるに譬へたるなり。
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一四七 見よ、雜色の影像は積集せる瘡痍の體なり、痛み、欲望多し、此に堅固常住あることなし。
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影像―身體の謂にして其堅實の自體なきを譬ふ。
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一四八 此の容色は衰ふ、病の巣なり、敗亡に歸す、臭穢の積集は壞る、生は必ず死に終る。
一四九 秋の(棄てられたる)瓢の如き、此の棄てられたる、灰白の骨を見て何ぞ愛樂《あいげう》あらん。
一五〇 骨を以て城とし、肉と血とを塗り、中に老と死と慢と覆とを藏す。
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覆―自罪を隱藏するを云ふ。
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一五一 王車の美はしきも必らず朽つ、身もまた是の如く衰ふ、但だ善の徳は衰へず、これ善士の互に語る所なり。
一五二 愚人の老ゆるは牛の(老ゆるが)如し、彼の肉は増すも彼の慧は増さず。
一五三 吾れ屋宅の作者を求めて此を見ず、多生の輪廻を經たり、生々苦ならざるなし。
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屋宅―變化的生死の存在を喩ふ。
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一五四 屋宅の作者よ、汝は見られたり、再び屋宅を造る勿れ、汝のあらゆる 
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