てきましょうね。
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(母親裏口から去る)
(花火の音)
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三男 いまの花火、きっと旗が出たよ。
長女 見てきましょうか。
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(長女|縁側《えんがわ》に出て空をあおぐ)
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長女 あら、ほんとうに旗が出たわ。雲の下を、北の方へ流れていくわ。……ああいま、学校のうしろの山の上ころよ。あら、山のてっぺんで、だれかが旗の方に手をふっててよ、……もう見えなくなっちゃった。
三男 山の上にだれがいるの?
長女 だれだかわからないわ。
三男 先生じゃないの。
長女 見えやしないわ、そんなことまで。
三男 だめだなあ、おねえさんの目なんか。
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(女の子、枕もとにすわる)
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三男 旗は、どこまでとんでくかなあ。
長女 やた村に、きっと落ちるわ。
三男 やた村で落ちないで、もっとどんどんとんでったらどこへいくんだろ
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