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(女の子うなずく)
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母 せっかくあそこまでいって、帰ってくることなんかないじゃないの。あそこからもうじき、お宮さんじゃありませんか。あとでいけばよかったって、知りませんよ。
長女 いいのよ、おかあさん。
母 それじゃあ、そんなとこに立ってないで、こっちへいらっしゃい。(病気の子どもに)よし坊はもうお薬を飲まなきゃいけませんね、まだあったかしら。おや、もうから[#「から」に傍点]ですね。それじゃあ、かあさんがお薬をとってきますから、よし坊ちゃんはねえさんと遊んでるね。
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(長女あがってきて、よし坊の枕《まくら》もとにすわる。母、用意をする)
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三男 かあさん、近道していくといいよ。
母 近道って? おまえお医者さんのお家へいく近道知ってるの?
三男 井戸車のある家と、めくらのじいさんのお家の間をとおっていくとね、杉《すぎ》の垣根《かきね》にあながあいてるからね、そこをくぐると、お医者
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