とすぐ私は常夜燈《じょうやとう》の下へいってみた。そしてひとりでツルのかくした花をさがした。息をはずませながら。まるで金でもさがすように。だがついにみつからなかった。
それから以後たびたび思い出してはそこへいってさがした。花はもうしおれはてているだろうということはすこしも考えなかった。いつでも眼《め》を閉《と》じさえすれば、ツルのかくした花や南京玉《なんきんだま》が、水のしたたる美しさでうす明かりの中にうかぶのであった。たれか他《ほか》の者にみつけ出されると困《こま》るので、私はひとりのときにかぎってそこへさがしにいった。
遊び相手がなくてひとりさびしくいるとき、常夜燈《じょうやとう》の下にツルのかくしたその花があるという思いは私を元気づけた。そこへかけつけ、さがしまわるあいだの希望《きぼう》は何にもかえがたかった。いくらさがしてもみつからない焦燥《しょうそう》もさることながら。
ところがある日、私は林太郎《りんたろう》にみられてしまった。私が例のように常夜燈《じょうやとう》の下をすみからすみまでさがしまわっていると、いつのまにきたのか林太郎が常夜燈《じょうやとう》の石段《いしだ
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