いっているうちに、誰《だれ》かが言《い》いちがえてごんごろ[#「ごんごろ」に傍点]鐘《がね》といっちまったんだ。するとごんごろ[#「ごんごろ」に傍点]鐘《がね》の方《ほう》がごんごん[#「ごんごん」に傍点]鐘《がね》よりごろ[#「ごろ」に傍点]がいいので、とうとうごんごろ[#「ごんごろ」に傍点]鐘《がね》になったのさ。」
 僕《ぼく》は小《ちい》さかったときには、ごんごろ鐘《がね》をずいぶん大《おお》きいものと思《おも》っていた。しかし国民《こくみん》六|年《ねん》にもうじきなろうという現在《げんざい》では、それほど大《おお》きいとは思《おも》わない。直径《ちょっけい》が約《やく》七十|糎《センチ》だから周囲《しゅうい》は[#ここから横組み]70cm×3.14=219.8cm[#ここで横組み終わり]というわけだ。お父《とう》さんが奈良《なら》で見《み》て来《き》た鐘《かね》というのは、直径《ちょっけい》が二|米《メートル》ぐらいあったそうだから、そんなのにくらべれば、ごんごろ鐘《がね》は鐘《かね》の赤《あか》ん坊《ぼう》にすぎない。
 しかし僕《ぼく》たち村《むら》のものにとっては、い
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