そのあとにつづいた。
 亀池《かめいけ》の下《した》でお爺《じい》さんの乳母車《うばぐるま》に追《お》いついた。僕《ぼく》たちはお爺《じい》さんの息子《むすこ》さんにわけを話《はな》して、お爺《じい》さんをこちらへ受《う》けとった。お爺《じい》さんは子供《こども》のように喜《よろこ》んで、長《なが》い顔《かお》をいっそう長《なが》くして、あは、あは、と笑《わら》った。僕《ぼく》たちもいっしょに笑《わら》い出《だ》してしまった。
 何《なに》も心配《しんぱい》する必要《ひつよう》はなかった。昨日《きのう》通《とお》ったばかりの道《みち》でも、少《すこ》しも退屈《たいくつ》ではなかった。心《こころ》に誠意《せいい》をもって善《よ》い行《おこな》いをする時《とき》には、僕《ぼく》らはなんど同《おな》じことをしても退屈《たいくつ》するものではない、とわかった。それにお爺《じい》さんがいろいろ面白《おもしろ》い話《はなし》をしてくれた。
 ただ一つ困《こま》ったことは、乳母車《うばぐるま》のどこかが悪《わる》くなっていて、押《お》していると右《みぎ》へ右《みぎ》へとまがっていってしまうことだった
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