が、考《かんが》えてみると、それだけ比良夫君《ひらおくん》の熱心《ねっしん》がつよいことになるわけだから、みんなは比良夫君《ひらおくん》を許《ゆる》してやることにした。
川《かわ》の堤《つつみ》に出《で》たとき、紋次郎君《もんじろうくん》が猫柳《ねこやなぎ》の枝《えだ》を折《お》って来《き》て鐘《かね》にささげた。ささげたといっても、鐘《かね》のそばにおいただけである。すると、みんなは、われもわれもと、猫柳《ねこやなぎ》をはじめ、桃《もも》や、松《まつ》や、たんぽぽや、れんげそうや、なかにはペンペン草《ぐさ》までとって来《き》て鐘《かね》にささげた。鐘《かね》はそれらの花《はな》や葉《は》でうずまってしまった。
こうして僕《ぼく》たちは村《むら》でただひとつのごんごろ鐘《がね》を送《おく》っていった。
三|月《がつ》二十三|日《にち》
ひるまえ、南道班《みなみみちはん》子供常会《こどもじょうかい》をするために尼寺《あまでら》へいった。
いつも常会《じょうかい》をひらくまえに、境内《けいだい》をみんなで掃除《そうじ》することになっているのだが、きょうは僕《ぼく》はひとつみんな
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