を見ても、かなり事情にも通じているらしい。此の議員宛の書面の中で、私は繰返し、マターファの処刑の厳に失する所以《ゆえん》を説明した。殊に、最近叛乱を起した小タマセセの場合と比較して、その余りに偏頗《へんぱ》なことを。何等罪状の指摘できないマターファ(彼は、いわば喧嘩《けんか》を売られたに過ぎぬのだから)が千|浬《カイリ》離れた孤島に流謫《るたく》され、一方、島内白人の殲滅《せんめつ》を標榜《ひょうぼう》して立った小タマセセは小銃五十|梃《ちょう》の没収で済んだ。こんな莫迦《ばか》な話があるか。今ヤルートにいるマターファの所へはカトリックの牧師以外に誰も行くことが許されない。手紙をやることも出来ぬ。最近、彼の一人娘が敢然禁を犯してヤルートヘ渡ったが、発見されれば、又連戻されるのだろう。
 千浬以内にいる彼を救う為に、数万浬彼方の国の輿論《よろん》を動かさねばならぬなんて、妙な話だ。
 もしマターファがサモアヘ帰れるようだったら、彼は吃度《きっと》僧職に入るだろう。彼は其の方面の教育を受けてもいるし、又、そうした人柄でもあるのだから。サモア迄は望めずとも、せめてフィジイ島位まで来られたら、
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