八世紀風の忠実な非抒情的記述。
二三日前突然、碇泊中《ていはくちゅう》の軍艦に出動命令が下り、沿岸を廻航してアトゥア叛民を砲撃することになった由。一昨日の午前中、ロトゥアヌウからの砲声が我々を脅した。今日も遠く殷々《いんいん》たる砲声が聞える。
八月×日
ヴァイレレ農場にて野外乗馬競技あり。身体の工合が良かったので参加した。十四|哩《マイル》余り乗廻す。愉快極まりなし。野蛮な本能への訴え。昔日の欣《よろこ》びの再現。十七歳に還《かえ》ったようだ。「生きるとは欲望を感ずることだ。」と、草原を疾駆しながら、馬上、昂然《こうぜん》と私は思うた。「青春の頃女体に就いて感じたあの健全な誘惑を、あらゆる事物に感じることだ。」と。
所で、日中の愉快に引きかえて、夜の疲労と肉体的苦痛とは全くひどかった。久しぶりに有《も》つことのできた楽しい一日の後《のち》だけに、此の反動はすっかり私の心を暗くした。
昔、私は、自分のした事に就いて後悔したことはなかった。しなかった事に就いてのみ、何時も後悔を感じていた。自分の選ばなかった職業、自分の敢てしなかった(しかし確かに、する機会のあった)冒険。自分の
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