アンズは別として、ファーガスンと私とは余りに良く似ていた。青年時代の或る時期に私は(ヴィヨンの詩と共に)ファーガスンの詩に惑溺《わくでき》していた。彼は私と同じ都に生れ、同じ様に病弱で、身を持ち崩し、人に嫌われ、悩み、果は、(之だけは違うが)癲狂院《てんきょういん》で死んで行った。そして彼の美しい詩も今では殆ど人に忘れられているのに、彼よりも遥かに才能に乏しいR・L・S・の方は兎も角も今迄生きのび、豪華な全集まで出版されようというのだ。この対比が心を傷ませてならぬ。
五月×日
朝、胃痛ひどく、阿片《あへん》丁幾《チンキ》服用。ために、咽喉《のど》が涸《かわ》き、手足の痺《しび》れるような感じが頻《しき》りにする。部分的錯乱と、全体的痴呆。
最近アピアの週刊御用新聞が盛んに私を攻撃し出した。しかも、ひどく口汚く。近頃の私は最早政府の敵ではない筈で、事実、新長官のシュミット氏や今度のチーフ・ジャスティスとも、かなり巧《うま》く行っているのだから、新聞を唆《そそのか》しているのは領事連に違いない。彼等の越権行為を私が屡々《しばしば》攻撃しているからだ。今日の記事など、実に陋劣《ろうれ
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