、碇泊中《ていはくちゅう》の独艦のサーチライトが蒼白い幅広の光芒《こうぼう》を闇空に旋回させて、美しかった。床に就いたが頸部《けいぶ》のリウマチスが起って中々眠れない。九度目に寝つこうとした時、怪しい呻声《うめきごえ》が下男部屋の方から聞えた。頸《くび》を抑え、ピストルを持って、下男部屋へ行く。みんな未だ起きていてスウィピ(骨牌《カルタ》賭博《とばく》)をやっている。莫迦者《ばかもの》のミシフォロが負けて大袈裟《おおげさ》な呻声を発したのだ。
今朝八時、太鼓の音と共に巡邏兵《じゅんらへい》風の土民の一隊が、左手の森から現れた。と、ヴァエア山に続く右手の森からも少数の兵が出て来た。彼等は一緒になって、うち[#「うち」に傍点]へ、はいって来た。せいぜい五十名位のものだ。ビスケットとカヴァを馳走してやったら、大人しくアピア街道の方へ行進して行った。
莫迦げた威嚇だ。それでも領事連は昨夜一晩中眠れなかったろう。
先日街へ行った時、見知らぬ土人から青封筒の公式の書状を渡された。脅迫状だ。白人は、王側の者と関係すべからず。彼等の贈物をも受取るべからず…………私がマターファを裏切ったとでも思っ
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