ウ監獄に投ぜられた大小酋長二十七人。之が凡《すべ》ての結果であった。
 躍気になったスティヴンスンの奔走も無駄になった。流竄者《りゅうざんしゃ》は家族の帯同を許されず、又、何人との文通をも禁ぜられた。彼等を訪ねることの出来るのは牧師だけである。スティヴンスンはマターファヘの書信と贈物とをカトリックの僧に託そうとしたが、拒絶された。マターファは凡ての親しい者、親しい土地と切離され、北方の低い珊瑚《さんご》島で、鹹気《しおけ》のある水を飲んでいる。(高山渓流に富むサモアの人間は鹹水に一番閉口する。)彼はどんな罪を犯したのか? サモアの古来の習慣に従って当然要求すべき王位を、遠慮して気永に待ち過ぎたという罪を犯しただけだ。そのため、敵に乗ぜられ、喧嘩《けんか》を売付けられ、叛逆者の名を宣せられたのである。最後迄忠実にアピア政府に税金を納めていたのは彼であった。首狩禁絶を主張する少数の白人の説を用いて、真先に之を部下に実行させたのは彼であった。彼は、白人をも含めた全サモア居住者の中で(とスティヴンスンは主張する。)最も嘘言《きょげん》を吐《つ》かぬ人間だ。しかも、斯《こ》うした男の不幸を救う為
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