サれぞれの量7、8、5を消費し、それぞれの稀少性は 1.50, 4.33, 3 となったとし、交換者(3)はそれぞれの量3、1、2を消費し、それぞれの稀少性は 3, 8.66, 6 となったとする。交換者(2)は地用(T)の量1を消費し、その稀少性は 4.50 であるとする。しかるに彼において、労働(P)、利殖(K)のそれぞれの稀少性系列に記入せられるべき数字 13, 9 は、これら用役の充すべき最初の欲望の強度 9, 6 より大であるため、これら二つの用役が欠けている。故に次の均衡の表が得られる。
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0.75:2.16:1.50
::1.50:4.33:3
::4.50:(13):(9)
::3 :8.66:6
[#ここで字下げ終わり]
二二六 (T)、(P)、(K)のそれぞれの平均稀少性を Rt[#「t」は下付き小文字], Rp[#「p」は下付き小文字], Rk[#「k」は下付き小文字] と呼び、これらの平均を算出するのに、下線を附した数字及び括弧内の数字を計算中に入れることを条件とすれば、次の方程式を立てることが出来る。
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[#式(fig45210_135.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
二二七 価格変動の法則はまたこれを一般化して(第一三七節)、次のような言葉でいい表わすべきである。
――交換が価値尺度財の仲介によって行われる市場において[#「交換が価値尺度財の仲介によって行われる市場において」に傍点]、諸々の生産物または用役が均衡状態において与えられ[#「諸々の生産物または用役が均衡状態において与えられ」に傍点]、かつ他の事情が同一であって[#「かつ他の事情が同一であって」に傍点]、もしこれらの生産物または用役の一つの利用が交換者の一人または多数に対し増加しまたは減少すれば[#「もしこれらの生産物または用役の一つの利用が交換者の一人または多数に対し増加しまたは減少すれば」に傍点]、価値尺度財で表わしたこの生産物または用役の価格は騰貴しまたは下落する[#「価値尺度財で表わしたこの生産物または用役の価格は騰貴しまたは下落する」に傍点]。
他の事情が同一であって[#「他の事情が同一であって」に傍点]、もしこれらの生産物または用役の一つの量がこれらの物の所有者の一人または多数について増加しまたは減少すれば[#「もしこれらの生産物または用役の一つの量がこれらの物の所有者の一人または多数について増加しまたは減少すれば」に傍点]、この生産物の価格は下落しまたは騰貴する[#「この生産物の価格は下落しまたは騰貴する」に傍点]。
諸々の生産物または用役の価格が与えられ[#「諸々の生産物または用役の価格が与えられ」に傍点]、これらの生産物または用役の一つの利用または量が交換者または所有者の一人または多数において変化しても[#「これらの生産物または用役の一つの利用または量が交換者または所有者の一人または多数において変化しても」に傍点]、それらの稀少性が変化しなければ[#「それらの稀少性が変化しなければ」に傍点]、この生産物または用役の価格は変化しない[#「この生産物または用役の価格は変化しない」に傍点]。
もしすべての生産物または用役の利用及び量が交換者または所有者の一人または多数について変化しても[#「もしすべての生産物または用役の利用及び量が交換者または所有者の一人または多数について変化しても」に傍点]、それらの稀少性の比が変化しないならば[#「それらの稀少性の比が変化しないならば」に傍点]、これらの生産物または用役の価格は変化しない[#「これらの生産物または用役の価格は変化しない」に傍点]。
なおこれらに二つの他の命題を附け加えることが出来る。
――すべての事情が同一であって[#「すべての事情が同一であって」に傍点]、一人または多数の人の所有するある用役の量が増加または減少し[#「一人または多数の人の所有するある用役の量が増加または減少し」に傍点]、従って価格が下落しまたは騰貴すれば[#「従って価格が下落しまたは騰貴すれば」に傍点]、この用役を入れて製造せられる生産物の価格は下落しまたは騰貴する[#「この用役を入れて製造せられる生産物の価格は下落しまたは騰貴する」に傍点]。
他の事情が同一であって[#「他の事情が同一であって」に傍点]、消費者の一人または多数に対するある生産物の利用が増加しまたは減少し[#「消費者の一人または多数に対するある生産物の利用が増加しまたは減少し」に傍点]、有効需要が増加しまたは減少し[#「有効需要が増加しまたは減少し」に傍点]、従って価格が騰貴しまたは減少すれば[#「従って価格が騰貴しまたは減少すれば」に傍点]、この生産物に入り込む用役の価格は騰貴しまたは下落する[#「この生産物に入り込む用役の価格は騰貴しまたは下落する」に傍点]。
二二八 第十五章において、私は購買曲線及び販売曲線を形成した(第一五一節)。他の言葉でいえば、一般均衡状態において交換市場に最後に達せられる需要曲線すなわち価値尺度財でなされる商品の需要曲線及び価値尺度財を受けてなされる商品の供給曲線を形成した。次に私は、供給を所有量と相等しいと仮定し、購買曲線を価格の曲線に変化した(第一五三節)。私はここで再びこの概念に帰って、これを用役及び生産物に関して補充しなければならぬ。
二二九 (A)を価値尺度財とする。かつ一方用役(P)、(K)……と生産物(A)、(B)、(C)、(D)……とが一定の一般均衡価格 p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字], …… p'b[#「b」は下付き小文字], p'c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字] ……で互に交換せられ、または交換せられようとしているとし、他方用役(T)がその存在を認められ、またその所有せられている量を認められて、市場に現われ、交換及び生産の機構のうちに姿を出現したとする。
理論的には(T)が出現すれば、二つの新未知数 pt[#「t」は下付き小文字], Ot[#「t」は下付き小文字] と二つの補足的な方程式を導き入れられた生産方程式の四個の体系の成立を必要とする(第二〇二、二〇三節)。これらの二つの補足的方程式の一つは(T)の需要方程式
[#ここから4字下げ]
at[#「t」は下付き小文字]Da[#「a」は下付き小文字]+bt[#「t」は下付き小文字]Db[#「b」は下付き小文字]+ct[#「t」は下付き小文字]Dc[#「c」は下付き小文字]+dt[#「t」は下付き小文字]Dd[#「d」は下付き小文字]+ …… =Ot[#「t」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
であり、他は(T)の供給方程式
[#ここから4字下げ]
Ot[#「t」は下付き小文字]=Ft[#「t」は下付き小文字](pt[#「t」は下付き小文字], pp[#「p」は下付き小文字][#「p」は底本では「b」], pk[#「k」は下付き小文字] …… pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……)
[#ここで字下げ終わり]
である。先になしたように(第二一五節)、正の ot[#「t」は下付き小文字] 及び負の ot[#「t」は下付き小文字] をそれぞれU及びuで表わせば、これら二つの方程式は、ただ一つの方程式
[#ここから4字下げ]
at[#「t」は下付き小文字]Da[#「a」は下付き小文字]+bt[#「t」は下付き小文字]Db[#「b」は下付き小文字]+ct[#「t」は下付き小文字]Dc[#「c」は下付き小文字]+dt[#「t」は下付き小文字]Dd[#「d」は下付き小文字]……+u=U
[#ここで字下げ終わり]
となる。しかし、他の価格の変化と他の有効需要及び供給の変化を捨象し、これらを常数と考えれば、この方程式の左辺は、ただ一つの函数 pt[#「t」は下付き小文字] の減少函数であって、幾何学的には購買曲線 Td[#「d」は下付き小文字]Tp[#「p」は下付き小文字](第九図)によって表わされ得る。右辺は同じ変数 pt[#「t」は下付き小文字] の函数であって、初め増加函数であって、次いで減少函数となる。その値はゼロから出発してゼロ(無限遠点において)に帰るのである。この右辺は幾何学的には販売曲線 MN によって表わされ得る。二曲線の交点Tが価格 pt[#「t」は下付き小文字] を決定する。
[#図(fig45210_136.png)入る]
二三〇 (A)を常に価値尺度財とする。かつ一方用役(T)、(P)、(K)……と生産物(A)、(C)、(D)……とが一定の一般均衡価格 p't[#「t」は下付き小文字], p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字] …… p'c[#「c」は下付き小文字], p'[#「'」は底本では欠落]d[#「d」は下付き小文字] ……で互に交換せられまたは交換せられようとし、他方生産物(B)の製造方法が発見せられ、(B)が公衆の領域に入ってき、市場に現われて、交換及び生産の機構のうちに姿を現わしたとする。
理論的には、(B)の出現は、二つの未知数と二つの補足的方程式を導き入れられた新しい生産方程式の四つの体系を必要とする。これら二つの補充的方程式の一つは(B)の需要方程式
[#ここから4字下げ]
Db[#「b」は下付き小文字]=Fb[#「b」は下付き小文字](pt[#「t」は下付き小文字], pp[#「p」は下付き小文字], pk[#「k」は下付き小文字] …… pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……)
[#ここで字下げ終わり]
であり、他は(B)の生産費方程式
[#ここから4字下げ]
bt[#「t」は下付き小文字]pt[#「t」は下付き小文字]+bp[#「p」は下付き小文字]pp[#「p」は下付き小文字]+bk[#「k」は下付き小文字]pk[#「k」は下付き小文字]+ …… =pb[#「b」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
である。
だがもし他の価格の変化、他の有効需要及び供給の変化を捨象し、これらを常数と考えれば、Db[#「b」は下付き小文字] は唯一の変数 pb[#「b」は下付き小文字] の[#「の」は底本では欠落、正誤表による訂正]減少函数であって、幾何学的には価格曲線 Bd[#「d」は下付き小文字]Bp[#「p」は下付き小文字](第十図)によって表わされ得る。横坐標 pb[#「b」は下付き小文字] をもつ点Bの縦坐標は需要 Db[#「b」は下付き小文字] を表わす。かくて私共は、既に示した幾何学的表現に立ち帰るわけである。
[#図(fig45210_137.png)入る]
底本:「純粹經濟學要論 上卷」岩波文庫、岩波書店
1953(昭和28)年11月25日第1刷発行
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。
その際、以下の置き換えをおこないました。
「敢えて→あえて 恰も・恰かも→あたかも 予め→あらかじめ 或る→ある 或いは→あるいは 雖も→いえども 如何→いか 如何様→いかよう 幾つ→いくつ 何れ→いずれ 一々→いちいち 何時→いつ 愈々→いよいよ 所謂→いわゆる 於いて→おいて 了え→おえ 概ね→おおむね 於ける→おける 恐らく→おそらく 凡そ→およそ 却って→かえって 拘らず→かかわらず 且つ→かつ 可成り→かなり かも知れ→かもしれ 位→くらい 蓋し→けだし 此処→ここ 毎→ごと 殊に→ことに 然し→しかし 然ら→しから 然る→しかる 屡々→しばしば 暫らく→しばらく (し)易→(し)やす 直ぐ→すぐ 頗る→すこぶる 宛→ずつ 即ち→すなわち 総て→すべて 其→その 高々→たかだか 唯→ただ
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