m#「2」は下付き小文字]pc[#「c」は下付き小文字]+w'2[#「2」は下付き小文字]pd[#「d」は下付き小文字]+ …… =0
x'3[#「3」は下付き小文字]+y'3[#「3」は下付き小文字]pb[#「b」は下付き小文字]+z'3[#「3」は下付き小文字]pc[#「c」は下付き小文字]+w'3[#「3」は下付き小文字]pd[#「d」は下付き小文字]+ …… =0
…………………………………………
[#ここで字下げ終わり]
である。従って。交換者(1)、(2)、(3)……によって需要せられる商品(A)、(B)、(C)、(D)……[#「……」は底本では欠落]の量の合計の価値は、これらの人々によって供給せられるこれらの商品の量の合計の価値に等しい。
 一四二 他方、体系[3]の方程式を適当に互に加算すれば、
[#ここから4字下げ]
x'1[#「1」は下付き小文字]+x'2[#「2」は下付き小文字]+x'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =qa,1[#「a,1」は下付き小文字]+qa,2[#「a,2」は下付き小文字]+qa,3[#「a,3」は下付き小文字]+ ……
 −(q'a,1[#「a,1」は下付き小文字]+q'a,2[#「a,2」は下付き小文字]+q'[#「q'」は底本では「q」]a,3[#「a,3」は下付き小文字]+ ……)+x1[#「1」は下付き小文字]+x2[#「2」は下付き小文字]+x3[#「3」は下付き小文字]+ ……
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。そして既に、
[#ここから4字下げ]
X=x1[#「1」は下付き小文字]+x2[#「2」は下付き小文字]+x3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
[#ここで字下げ終わり]
が得られ、かつ
[#ここから4字下げ]
q'a,1[#「a,1」は下付き小文字]+q'a,2[#「a,2」は下付き小文字]+q'a,3[#「a,3」は下付き小文字]+ …… =qa,1[#「a,1」は下付き小文字]+qa,2[#「a,2」は下付き小文字]+qa,3[#「a,3」は下付き小文字]+ ……
[#ここで字下げ終わり]
であるから、
[#ここから4字下げ]
X'=x'1[#「1」は下付き小文字]+x'2[#「2」は下付き小文字]+x'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。のみならず、同様にして
[#ここから4字下げ]
Y'=y'1[#「1」は下付き小文字]+y'2[#「2」は下付き小文字]+y'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
Z'=z'1[#「1」は下付き小文字]+z'2[#「2」は下付き小文字]+z'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
W'=w'1[#「1」は下付き小文字]+w'2[#「2」は下付き小文字]+w'3[#「3」は下付き小文字]+ …… =0
[#ここで字下げ終わり]
であり、従って、各商品の全部有効需要と全部有効供給とは相等しい。
 一四三 故に価格 pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……は、配分の変化の前と同じく、変化の後においても、また均衡価格である。そして市場における競争の機構は、要するに、計算を行って価格を実際的に決定することに他ならないのであるから、次の結果が生ずる。――多数の商品が均衡状態において市場に与えられたとし[#「多数の商品が均衡状態において市場に与えられたとし」に傍点]、もし[#「もし」に傍点]、これらそれぞれの量の商品をいかように配分しても[#「これらそれぞれの量の商品をいかように配分しても」に傍点]、これらの交換者の各々によって所有せられる量の合計の価値が常に相等しければ[#「これらの交換者の各々によって所有せられる量の合計の価値が常に相等しければ」に傍点]、これらの商品の市場価格は変化しない[#「これらの商品の市場価格は変化しない」に傍点]。
 一四四 この証明の全過程中、私は Qa[#「a」は下付き小文字], Qb[#「b」は下付き小文字], Qc[#「c」は下付き小文字], Qd[#「d」は下付き小文字] ……が変化しないと仮定した。従って所有者例えば(1)によって所有せられる商品(A)、(B)、(C)、(D)……の量が、等価値条件の範囲内において、増加しまたは減少したとすれば、商品の全合計量が一定であるとの条件を充すには、他の所有者の一人または多数例えば(2)または(3)によって所有せられるこれらの商品の量は、同じ条件の範囲内において、減少しまたは増加せねばならないのは、明らかである。けれども、もし商品が市場に著しく多量に存在し、かつ交換者が多数であれば、あるただ一人の所有者によって所有せられる商品の量の変化は、等価値の条件の範囲のうちに現われる変化である限り、他の所有者の何人の所有量にもそれに相応した変化が無いならば、価格に対し目立つほどの影響をもたないものであり、この所有者の特殊な地位もまた市場の一般的地位も何ものも変化しないと考え得られることは、明らかである。これは、ある場合によく利用せられる大数法則の一応用である。しかしながらここでは、私は数学的厳密性の領域のうちに止っていたいと思う。だから価格が絶対に変化しないと立言し得るためには、所有量の価値が等しいとの条件と存在の合計量が一定であるとの条件の二つが充されていると、仮定せねばならない。
 一四五 市場の一般均衡の定理は、次の言葉で表現し得られる。
 ――市場の均衡状態においては[#「市場の均衡状態においては」に傍点]、二商品ずつ行われるm個の商品の交換を支配する m(m−1) 個の価格は[#「二商品ずつ行われるm個の商品の交換を支配する m(m−1) 個の価格は」に傍点]、これらm商品の中の任意の m−1 個の商品と第m番目の商品との交換を支配する m−1 個の価格によって間接的に決定せられている[#「これらm商品の中の任意の m−1 個の商品と第m番目の商品との交換を支配する m−1 個の価格によって間接的に決定せられている」に傍点]。
 よって一般的均衡状態においては、すべての商品の価値を、これらの商品の中の一商品の価値に関係せしめて、市場の地位を完全に確定することが出来る。この一商品は価値尺度財[#「価値尺度財」に傍点]と呼ばれ、その量の単位は測定単位[#「測定単位」に傍点](〔e'talon〕)と呼ばれる。今(A)、(B)、(C)、(D)……の価値を(A)の価値に関係せしめたと仮定すれば、次の一系列の価格が得られる。
[#ここから4字下げ]
pa,a[#「a,a」は下付き小文字]=1, pb,a[#「b,a」は下付き小文字]=μ, pc,a[#「c,a」は下付き小文字]=π, pd,a[#「d,a」は下付き小文字]=ρ ……
[#ここで字下げ終わり]
 もしこれらの商品の価値を(A)に関係せしめないで、(B)の価値に関係せしめたとすれば、次の一系列の価格が得られる。
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_118.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
 よって――ある価値尺度財で表わした価格を[#「ある価値尺度財で表わした価格を」に傍点]、他の価値尺度財で表わした価格に変更するには[#「他の価値尺度財で表わした価格に変更するには」に傍点]、これらの二財中の前者によって表わした価格を[#「これらの二財中の前者によって表わした価格を」に傍点]、この元の尺度財で表わした新価値尺度財の単位の価格で除せばよい[#「この元の尺度財で表わした新価値尺度財の単位の価格で除せばよい」に傍点]。
 一四六 この体系において、(A)が銀であり、九〇%銀半デカグラム(五グラム)が銀の量の単位であり、(B)が小麦であってヘクトリットルがこの小麦の量の単位であるとする。市場において、一般的均衡状態の下に、小麦の一ヘクトリットルが一般に九〇%銀二四半デカグラム(一二〇グラム)と交換せられる事実は、方程式
[#ここから4字下げ]
pb,a[#「b,a」は下付き小文字]=24
[#ここで字下げ終わり]
によって表わされる。これは次のようにいい表わされ得る。――「銀で表わした小麦の価格は二四である。」――もし量の単位を明らかにすれば、――「小麦一ヘクトリットルの価格は九〇%銀の二四半デカグラムである。」――または、「小麦は一ヘクトリットルで九〇%銀の二四半デカグラムの価値がある。」といい得る。この表わし方と、私が一般的考察をなしたとき(第二九節)実際の慣習から借りた表わし方――「小麦は一ヘクトリットルで二四フランの価値がある。」――との間には、九〇%銀の半デカグラム[#「九〇%銀の半デカグラム」に傍点]という語をフラン[#「フラン」に傍点]という語で置き換えてあると無いとの差異がある。この差異は充分な注意を払って論究せられねばならぬ。
 フラン[#「フラン」に傍点]という語は、大多数の人々の考では、メートル[#「メートル」に傍点]、グラム[#「グラム」に傍点]、リットル[#「リットル」に傍点]という語と類似したものである。ところでメートル[#「メートル」に傍点]は二つの事柄を表わしている。まず第一は子午線のある分数の長さを表わし、第二に長さ[#「長さ」に傍点]の一定不変の単位を表わしている。同様にグラム[#「グラム」に傍点]という語もまた二つの事柄を表わしている。まず最大密度の蒸溜水のある量の重量を表わし、第二に重量[#「重量」に傍点]の一定不変の単位を表わす。リットル[#「リットル」に傍点]も容量[#「容量」に傍点]に関し、同様に二つの事柄を表わしている。通常の人々にはフラン[#「フラン」に傍点]もまたこれと同じように見えるのである。すなわちフランという語は、第一にある品位の銀のある量の価値を表わし、第二に価値の一定不変な単位を表わしているように見える。
 この考え方のうちには区別すべき二つの点が含まれている。(一)フラン[#「フラン」に傍点]という語は九〇%銀の半デカグラムの価格を示すこと、(二)単位として採られたこの価格は一定不変であること。この第二の点は重大な誤謬であって、いかなる経済学者もこの誤謬に陥ってはいない。経済学をいかにわずかにせよ研究した人は、メートル[#「メートル」に傍点]とフラン[#「フラン」に傍点]の間に本質的な差異があって、メートルは長さの一定不変な単位であり、フランは一定でも不変でもなく、人々により多少の意見の差こそあれ認められる事情により、時と処によって変化するものであることを、認める。だからこの点を論駁して、時を空費する必要もなかろう。
 だがこの第二の点を別としても、なお第一の点が残っている。すなわちメートルが子午線の四分の一の百万分の一の長さであるように、フランも九〇%銀の半デカグラムの価値であるという点が残っている。この見方をとっている経済学者は、フランは変化するメートルであるが、しかしとにかくメートルであるという。だがもしすべての長さが絶えず、物体の膨脹収縮により、変化運動をなしているとすれば、私共はこれらの長さをこの限界の内においてしか測定することが出来ないが、この限界内ではこれを測定し得る。ところがすべての価値は、既に知ったように、変化の運動を絶えず続けている。だから時と処とを問わず、価値を相互に比較することは出来ない。だが与えられた処と与えられた時においては、これらの価値を相互に比較し得ないのではない。私共はかかる条件の下において価値を計るのである。
 この体系において、(A)は銀であり、九〇%銀の半デカグラムは銀の量の単位であり、(B)は小麦であり、ヘクトリットルは小麦の量の単位であるから、次の方程式を立てることが出来ると、人々は信じている。
[#ここから4字下げ]
va[#「a」は下付き小文字]=1 フラン
[#ここで字下げ終わり]
そして市場において、小麦の一ヘクトリットルが一般に九〇%銀の二四半デカグラム
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